「なぜ“気持ちいい”のかを伝えたい」——販売からものづくりへ

「販売を10年やってきて、ようやく“作る側”に立てた気がします。」

そう語るのは、 GOOD PEOPLE GOOD STITCHING GOOD PRODUCT でブランド事業の直営販売の人材管理・売場作りや接客から、OEM営業まで幅広く手がける太田さん。アパレル業界での長いキャリアを経て、今、ものづくりの現場に立つ彼の言葉には、リアルな実感と静かな情熱がにじんでいます。

太田 陽介

国内セレクトショップブランドにて販売員、店長、エリアマネージャーを経験。

ものづくりに興味を持ち GOOD PEOPLE GOOD STITCHING GOOD PRODUCT に参加。

「私にとって、販売という仕事は、ただ洋服を売ることではありません。

それはむしろ、お客様が洋服を見る“目”を育てていく、そのお手伝いだと思っています。」

なぜアパレルの現場から、ものづくりの現場へと行こうと思ったんですか?

太田:販売の仕事を10年ほど続けてきました。
国内のセレクトアパレルが好調だった時期も、コロナ禍で厳しかった時期も経験してきましたが、その中でずっと気になっていたのが、「洋服って、どうしてこんなに可愛いんだろう?」「どうして、かっこよく見えるんだろう?」ということでした。
流行やデザインだけでは説明しきれない、服そのものが持つ力に、強く惹かれていたんです。

GGGの存在は以前から知っていて、ものづくりの現場に身を置きたいという思いが次第に強くなっていったので、いくつかのブランドや企業を見て回った結果、マルチョウでなら自分のキャリアを深めていけると感じて、今の道を選びました。

GGGでどんなお仕事をされているのですか?

太田:主に直営ショップの運営を担当していますね。自分たちで店頭に立つこともありますし、外部の販売パートナーと連携しながら販売スタッフのマネジメントも行っています。

また、ポップアップの企画・運営、OEMの企画営業にも携わっています。

幅広く担当されていますね。実際にものづくりに移って、どう感じていますか?

太田:実際にものづくりの現場に入ってみると、支持されているブランドには、やはりそれ相応の理由があることを実感します。
ブランディングも含めて、背景にしっかりとした考えがある。 そういうのを知ると、「ああ、やっぱりそうだよな」って納得できますし、逆に言えば、そこをちゃんと伝えていかないといけないなって改めて思います。

ご自身のお仕事で特にこだわっているポイントは何ですか?

太田:やっぱり僕が一番大事にしてるのは、実際に接客させていただいたときに、お客様がどう感じてくださるかなんですよね。製品を手に取ったときの感情とか、感覚ってすごく大事で。そこにちゃんとフォーカスしてもらえるような空間づくりとか、声のかけ方とか、そういうところを意識しています。

それと、買っていただいた後の生活の中で、その洋服がどう影響していくか——たとえば、「これ着て出かけたらすごく気分が上がった」とか、「毎日着たくなるくらい快適だった」とか、そういう体験をしてもらえるかどうかって、すごく大きいと思っていて。

だから、選んでくださったお客様に対して、GGGというブランドを通じて、どれだけ素敵な体験をご提供できるか。そこを常に考えながら、ものづくりも接客もやっています。

そんな太田さんにとって、GGGの魅力ってどこにあると思いますか?

太田:お客様からよく言われるのが、「気持ちがいい」っていう言葉です。デザインがどうこうっていうよりも、着たときの感覚とか、触ったときの心地よさを評価してもらってる感じがします。
GGGのジャケットもシャツもパンツも、すべてジャージ素材で作っています。
そのおかげで、着心地の良さはもちろん、軽さや柔らかさ、手入れのしやすさも実現できているんです。
これは、マルチョウの工場が持つ技術力があってこそだと思っています。
おしゃれとか、かっこいいっていうのももちろん大事なんですけど、それだけじゃなくて、日常の中でずっと着続けられる、気分が高まる服。そういうところに魅力を感じてもらえてるんじゃないかなって思います。

「気持ちがいい」と評価される理由として、日本製(Made in Japan)であることが大きいですか?

太田:日本製って"いいもの”っていうイメージがあると思うんですけど、僕はそれだけじゃなくて、あくまでブランディングの一つだと思っています。

GGGも日本製ですが、それに頼ることなく、素材・縫製・着心地といった“本質的な価値”を追求し続けたいと考えていて、目指しているのは、着るたびに「やっぱりこれ、いいな」って思ってもらえる洋服。
見た目の印象だけじゃなくて、日常の中で感じる心地よさや快適さ、軽やかさ、そしてちょっとした高級感——それがすべての品番に込められている。

それこそが、僕たちが考える“Made in Japan”の最高品質だと思っています。

GGGを通じてどのようなメッセージを届けたいですか?

太田:GGGの洋服って、ただのアイテムじゃなくて、ブランドや製品づくりに関わる人たちの、いろんな“こだわり”や“責任感”、アイディアや細やかな配慮の積み重ねによって生まれています。そういう人の想いが集まって、ひとつの服として形になる。だからこそ、素材や作り方、その背景を知ることで、洋服はもっと面白く、深く感じられるものになると思います。

お客様にも、そうした“洋服の見方”を育てていただけたら嬉しいです。
私たち自身はもちろん、関わってくださるスタッフやお客様と一緒に、そうした視点を共有していけたらと願っています。